冷徹弁護士、パパになる~別れたはずが、極上愛で娶られました~

「でも、噂は噂で事実ではないのよね?」
「はい。誓って、そのような事実はありません」

 せめて、園長だけにでも信じてほしくて、前のめりに返事をする。園長はまったく疑う様子もなく、ニコッと微笑んで頷いた。

「だったら、とりあえずうちの園からなにも言うことはありません。謹慎の間は成優ちゃんとゆっくり過ごされるのもいいですし、レスパイトの意味で預けてくださっても構いません。クラスのお友達も、成優ちゃんと遊びたいでしょうし」
「園長先生……ありがとうございます」

 寛大な対応がありがたくて、深々と頭を下げる。

「いいえ。いつものお母さんを見ていれば、成優ちゃんをどれだけ大切に思っているかがわかります。その愛情をしっかり受け止めて、成優ちゃんはとてもまっすぐに育っていますから、どうかこれからも自信を持って育児されてくださいね」
「はい……!」

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