『request』短編集


「……華」


「ん?」


「家事、任せっきりでごめん」


「そんなの気にしなくていいよ。それよりも無理しないで」


「…うん」





こんなに疲れきっている優を見るのは初めてで



他に出来ることないかな、と。



優の頭を撫でながら考えていた時、机の上にある携帯がまた鳴り始める。



それが合図のように優は腰に回していた腕をするりと離して私を解放した。





「先に寝ていいから」


「優は?」


「もう少ししたら寝るよ」


「……分かった」


「おやすみ、華」





さっきまで私に触れていた手。



その手が携帯に触れる少し前、



私は後ろから優の顔を覗き込んで

触れるだけの簡単なキスを唇に1回。





「これで目が覚めるか分からないけど……
ちょっとでも、優の力になれていたら嬉しい」


「…………………」


「邪魔してごめんね。おやすみなさい」





逃げるようにその部屋から出ていく。



大胆なことをしてしまったけど…

夫婦なんだから……これくらい、いいよね?



久しぶりのこの感覚に顔が少し熱くなっていることを身に感じる私。




その行動が


優にとって絶大な効果があったと知るのは





" あ。優?ここのシステムなんだけどさ~ "


「分かった。5分で終わらせる。」


" え、なに。やる気満々じゃん "





もう少しあとのお話。






珍しい姿

~完~

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