記憶喪失の妻は一途な夫(外科医)に溺愛される
彼は私が立ち上がるのを支えると、寝室に案内して、そこからダッシュで浴室へと戻っていった。
その行動が面白くて思わず笑う。

笑ってから、自分が笑顔を取り戻していることに気づく。
今こうして笑っていられるのは彼のおかげだ。

きっと記憶を失う前の私も。
両親が亡くなってきっと笑顔を失っていたはずだ。
その私が立ち直れたのも、こうして笑顔を取り戻せたのも。
すべては彼の・・・支えがあるからだ。


「おまたせ!」
本当に5分ほどで寝室に来た紫苑。
「本当は自然乾燥にしようかと思ったけど、俺の濡れた髪の毛で桐乃が風邪ひいたら困るから。」
と髪もちゃんと乾かしてから寝室へ来た。
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