記憶喪失の妻は一途な夫(外科医)に溺愛される
私の知らない彼との時間。

相手は私なのに。

思い出せないその時間に嫉妬してしまう。

その時彼とどんな話をしたのだろうか。
どんな顔をしていたのだろうか。
どんな・・・。

想像しかできない時間に嫉妬する。

完全に自分の心が彼に対して向いている。
しかも人生で一番、失いたくない。そう思うくらい、熱い情熱を自分の中に感じていた。

あれこれ、携帯の画面を見ながら話している紫苑。
その無邪気な表情に、湧き上がる思いをこらえきれず、気づいたら私は彼の頬にキスをしていた。
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