記憶喪失の妻は一途な夫(外科医)に溺愛される
「ばれたか。俺、美術の成績はよかったんだ。」
更に得意げな顔をする彼。
「私の顔はキャンバスじゃないよー。」
「ははっ。そうだな。」
つわりで化粧をする余裕もなかった私。
でも今は本当につわりが落ち着いていて、自分で化粧もできる。
一通りのものは食べられるようになったし。
においにも、まだ敏感だけれど平気になった。
残っているのは時々襲ってくる眠気くらい。
支度が終わると、すでに紫苑は自分の車に荷物は運んでくれていて、私の背中に手をまわし、もう片手は私の手を握り、エスコートしてくれた。
「足元、気を付けて。」
「ありがとう。」
まるでお姫様にでもなったかのように扱ってくれる。
更に得意げな顔をする彼。
「私の顔はキャンバスじゃないよー。」
「ははっ。そうだな。」
つわりで化粧をする余裕もなかった私。
でも今は本当につわりが落ち着いていて、自分で化粧もできる。
一通りのものは食べられるようになったし。
においにも、まだ敏感だけれど平気になった。
残っているのは時々襲ってくる眠気くらい。
支度が終わると、すでに紫苑は自分の車に荷物は運んでくれていて、私の背中に手をまわし、もう片手は私の手を握り、エスコートしてくれた。
「足元、気を付けて。」
「ありがとう。」
まるでお姫様にでもなったかのように扱ってくれる。