記憶喪失の妻は一途な夫(外科医)に溺愛される
「メイクは・・・私が・・・」
「そっか」
遠慮する私に、紫苑は見やすいように鏡を用意してくれた。

私がメイクしている間に、いろいろと手続きをしてくれる彼。

本当に・・・彼と私は結婚しているのだろうか。

そう言えば・・・

「指輪って・・・」
「え?」
何やら書類に目を通していた紫苑が私の方に視線を戻す。
「あっ・・・夢の中で見たから・・・薬指に指輪・・・」
「持ってるよ。」
紫苑は私のそばに近づき、自分の胸元からネックレスを出した。
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