一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
 追求を免れ、ホッと息をはいた。
 なに食わぬ顔をして、父と継母の後ろを歩いて、お見合い場所のティールームへ入る。
 ここのティールームを選んだのは継母で、高級感漂う和風のティールームだ。
 私が来るのは初めてだけど、継母は違うらしく、慣れた様子でメニューブックを手にした。

「ここのお抹茶が美味しいのよ」
「俺はなんでもいいぞ」

 二人がメニューを決めている間、ぐるりと店内を眺める。
 趣味のいい落ち着いた店内。
 竹のオブジェがあり、壁にはガクアジサイが描かれた日本画が飾られている。
 窓ガラスには木の格子がされ、外から中を覗けないよう目隠しがされていた。
 なめらかな木の椅子とテーブル、障子戸をパーティションに使われ、木のウッドオブジェの枝がほんの少しだけ、障子から覗く――さすが高級ホテルのティールーム。
 お見合いでなく、友達と来ていたら、この店の一つ一つのセンスの良さを語り尽くしていたはずだ。

 ――わかってる。デザインの勉強をしても意味がないって。どんな相手であっても、私は結婚する選択肢しかないんだから。

 妹の顔を思い浮かべ、涙をこらえた。
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