一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
「ダメだしとボツの山をくらわせて、そのセリフ。自信を根こそぎ吹き飛ばしてからの無害アピールっ!」
「仕方ないだろう。俺は正直な人間なんだよ」

 理世はため息をついた。

「それで、ショーに参加するのかしないのか、どっちだよ。無理そうなら、春夏は諦める」
「紡生さん。挑戦しますよね?」

 私は学生時代のショーを思い出していた。
 紡生さんだって覚えているはずだ。

「私はショーをやりたいです」
「琉永ちゃん……」

 私がそう言うと、紡生さんは私の手をがしっと握りしめた。

「もちろんだよ! 私たちはあの夕陽に向かって走るんだ!」
「え? 夕陽?」

 夕陽にはまだ早い時間だった。
 紡生さんは私の肩を抱き、すっと壁を指さした。
 もちろん、太陽はない。
 目の前は壁だ。
 行き止まり。
 走れない。

「……のってよ。琉永ちゃん」
「紡生は放置でいいわよ」

 恩未さんは呆れた顔で、紡生さんを見ていた。

「琉永。がんばれよ」
「うん。理世、ありがとう」

 私は微笑み、そして言った。

「デザイン画に集中したいから、理世は先に帰ってね」
「先に!?」
「今すぐ描きたいの」
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