一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
 理世から離れて、自分の机に戻った。
 ショーに出す服を考え始めると、頭がいっぱいになってドキドキした。
 学生のファッションショーじゃなくて、今度は本格的なファッションショー。
 プロのモデルさんが着て、ランウェイを歩いてくれる。
 それを想像しただけで、わくわくした。

「魔王をしょげさせる琉永ちゃん。琉永ちゃん最強説ここに爆誕」
「妻には弱い魔王」

 そんなふざけたことを言いながら、紡生さんも自分の机に座った。

「琉永。帰りは迎えにくる」

 優しい理世を見つめる。

 ――理世はリセでもある。

 パリで堂々とランウェイを歩くモデルのリセ。

 ――リセに着てもらうなら、どんな服を作る?

 そう考えただけで、真っ白な紙にその姿が浮かんでくるような気がした。
 目を閉じて、リセの姿を思い出す。
 そして、ゆっくりと目を開け、紙の上に鉛筆を走らせた。
 ミニスカートにアンブレラプリーツを入れて、黒のパンツをはく。
 それから、スリット入り黒のロングスカート、ごつめのブーツ。

「こういうのもいいかも」
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