一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
私の姿を理世が見る機会なんて限られていたし、外部からの人が招かれる学校の行事はショーしかない。

「そうだ。ショーが終わったら、結婚式をしよう」

「結婚式!?」

麻王(あさお)の一族にお披露目をしたいと思っている」

「でも……私のこと受け入れてくれるか、どうか……」

不安な顔をしていると理世が笑った。

「大丈夫。ファッションショーを成功させて、兄に認めさせれば、根回しくらいはしてくれる」

「成功したら!?」

「兄は気まぐれで変わり者だ。興味がある人間に対しては好意的だが、興味がない人間に対してはどうでもいいと思っているところがあるからな」

ただでさえ、緊張しているのにファッションショーへの重いプレッシャーがずしっと私にのしかかってきた。

「ファッションショーが楽しみだ」

理世はそう言ったけど、私はひきつった笑みを浮かべるのが精一杯だった。
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