一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
「悠世は気まぐれで変わり者だ。興味がある人間に対しては好意的だが、興味がない人間には氷のように冷たい」

 ただでさえ、ショーへの参加で緊張しているのに、重いプレッシャーがずしっと私にのしかかってきた。

「ショーが楽しみだ」

 理世はそう言ったけど、私はひきつった笑みを浮かべるのが精一杯だった。
 一着だけしかないけど、私にとっては、初めての外部のショー。
 失敗は絶対許されない。

「琉永。心配しなくても成功する」

 心強い理世の言葉に、少しだけプレッシャーがやわらいだ。

 ――理世の言葉には力がある。

 いつも私を励まし続けてくれる言葉をくれる理世。

「私、頑張るわ。理世。ショーが終わったら、ご両親に挨拶をしてもいい?」
「ああ。一緒に本邸へ行こう」

 ――あなたの妻として、認められたい。
 
 プレッシャー以上の思いが、そこにはあった、
 けれど、まだ啓雅(けいが)さんからの仕返しは終わってなかった。

 ――それを私はショーの当日に知ることになるのだった。
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