一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
 ――当日、どんな理由であれ、穴を開けたモデルは次回からどこも使いたがらない。

 明るくて話しやすく、感じのいいモデルさんだったけど、なにがあったのだろう。

「遅刻?」
「それともトラブル?」
「すぐに連絡して!」

 ざわざわし始めて、同じ事務所のモデルが連絡してくれた。

「駄目です。本人と連絡がとれません」

 不穏な空気が流れた。

 ――どうして私のモデルだけ?

 もしかして――浮かんだのは、啓雅(けいが)さんの顔だった。
 もうなにもしてこないだろうと、安心していたけれど、この日を待っていたのかもしれない。
 一番、私にダメージを与えられる日を狙って、思い知らせようとした……?
 
「そんな……まさか……」

 でも、思い当たるのはそれしかない。

「なにかトラブル?」
悠世(ゆうせい)さん!」

 騒ぎに気づいたのか、悠世さんが現れた。
 悠世さんの隣には、妖精みたいなローレライがいた。
 まつ毛に銀色のキラキラしたラメをのせ、肌は白に近い。
 濃い青のカラーコンタクトが、彼女の人形のような美しさを際立たせて、温度を感じさせない。
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