一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
 その手を握り返すと、理世は微笑んだ。
 カフェを出て、向かったのはパリの有名な通りだった。
 そこは、ファストファッションのブランドから老舗ブランドまで並ぶ有名な通りで、ファッションだけでなく、ギャラリーや雑貨店も素敵なお店が多いのだ。
 ショーウィンドウにはアクセサリーや靴が並び、ガラス越しに真剣な顔で見ている人をよく目にした。
 目を奪われる物が多くある。

「見て、理世。可愛いキッチン用品! あっ! チョコレートも!」
「後からまた来れるから、焦らなくても大丈夫」
「それはそうだけど」

 ショッピングは一期一会。
 その瞬間を逃したら、売りきれてしまうかもしれなにのに……
 そう思っていると、理世が急に立ち止まった。

「理世?」
「琉永。ここだ」

 理世が指差した方角を見ると、真っ白でシンプルな店があった。
 白だけの色で変化を出した内装は、私と理世が出会った日のブーケみたいた。
 店内はライトで色の変化を作り出し、壁の質感で差を出して。同じ白でも変化させていた。
 並んだ店の中でも、理世が私を案内した店は、白で統一され、明るく目を引いた。
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