一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
 勢いがあるうちはいいけど、その勢いが止まれば、その先をどうやって進んでいけばいいか、誰も教えてはくれないのだ。

「まあ、まだまだ先だよ。彼女たちはこれからだ。琉永も有名になるよ」
「そうだと嬉しいです」
「なるよ」

 リセは以前から、私を知っているような口ぶりだった。
 先輩たちと違って、私は有名でもなんでもない。
 『Fill(フィル)』に拾ってもらったのも学生時代から、バイトをしていたから。
 私を気遣っていってくれたリセの優しい言葉に、笑みがこぼれた。

「応援してるよ」
「ありがとうございます……」

 リセは有名なモデルなのに全然気取ったところがない。
 気さくで話しやすくて、とてもいい人。

 ――ますます好きになってしまいそう。

 シードルを飲み終えて、次は白ワインを口にした。
 食事が美味しくて、どんどんお酒も進んだ。

「リセに会って、なんだか救われました。私、両親に婚約者を決められて、結婚しろって言われた時は、この世の終わりって気分だったんです。だから、デザイナーとして仕事ができるのはあと少しだって思っていたところだったので……」
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