一目惚れ婚~美人すぎる御曹司に溺愛されてます~
 天国と地獄の曲って、どんな曲だっけと、現実逃避をしなら、とぼとぼとうつむきがちに歩いた。
 そして、ため息をつく――ぼすっと音がして、私の顔面を埋め尽くしたのは花だった。
 花の香りが私の顔を包み込んだ。

「おい、前を見て歩け」

 白いブーケが、私の顔を覆う。
 花嫁が持つ大きなブーケは、薔薇や百合の花、カスミソウなどの生花で作られている。

「す、すみませ……むっ!?」

 謝ろうとした私の目に、飛び込んできたのはオーダーメイドの革靴だった。
 ブーケの隙間からでもわかるスーツは、縫製が見事で、生地も最高のものだと見ただけでわかる。
 靴もスーツもイタリア製だろうか。
 雰囲気がそう私に語りかけている!
 
 ――触りたい!

 待って、私!
 初対面の見知らぬ人の服をベタベタ触るなんてできない。
 そんなことをしたら、ただの変態だし!
 
 ――こんな上等な物を身に付けている男の人っていったい何者!?

 花に埋もれた顔を上げて、視線を向けた。

「えっ……!」

 私の目の前にいたのは、超がいくつもつくイケメンだった。
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