政略結婚かと思ったら溺愛婚でした。
 だからといって、そんな結婚は納得がいかなかった。

「いいよ、政略結婚でもなんでも。それにそんなことでもないと結婚できないだろうと園村さんに言われたよ。全くもってその通りだしな」
 間違いはないが、そんなことでいいのだろうかと槙野は思う。

 ちらりと見た片倉はいつも通りの表情で変化がなくて、何を考えているのかよく分からない。

 だいたい、そんなことでもないと結婚できないのは、片倉の好みがうるさいからだ。

 美人を見れば、ケバいというし、セクシーな女性にも好みじゃない、と一刀両断なのだ。

 なのに、会社をやると言われたら、その会社にくっついてくるお嬢ならいいのかよ⁉︎

 しかし、そんなことでもないと結婚しない、というのも間違いはない。

「それ、決定なのか?」
「決定だ。園村ホールディングスの件も、結婚の件も。ああ、結婚の件はまだ分からないな。向こうが断るかもしれないし?」

 そう言って片倉は槙野ににこりと笑った。
 片倉を断るなんて、あるわけないだろうが‼︎



 まさか、その片倉のお相手が自分の部下になるなんて槙野は思ってもみなかったのだ。
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