政略結婚かと思ったら溺愛婚でした。
「浅緋さんは今回のグローバル・キャピタル・パートナーズについてはどう思っているのか聞きたくてね」

「あの……私は会社の事は本当に分からなくて。だから、片倉さんや弁護士さんにご依頼しているんです」
 困惑しながら浅緋は久保の質問に答える。

「だって、お父さんの大事な会社だろう?今回のまるでハゲタカのようなやり方には不満を持っている役員も沢山いるし、中には浅緋さんに跡を継がせるべきでは、という話も出ているんだよ」

 跡を継ぐ⁉︎
「そんなの、無理です!」
 浅緋は即座に否定した。

 父の事は確かに強引だとは思っていたけれど、その経営手腕を疑ったことはない。

 片倉や槙野にしても同様だ。
 彼らと同じことを浅緋が出来るのかと言えば、そんな自信は全くなかった。

「父も、私が無理だと分かっていたから、片倉さんにお願いしたと思うんです」

「うん。だから僕らのような役員がいるわけなんだよね。浅緋さんは何も心配しなくていい」

「今も心配していません。片倉さんも、槙野さんも父が信頼していた方だと聞いています」

 2人の話しぶりからは、浅緋の父といろんな話をしていたのだろうということが分かるから。
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