政略結婚かと思ったら溺愛婚でした。
片倉はため息をついた。
「もういい。追い出せ」
『厳しいな』
けれど、そんな風に言う槙野の声も笑いを含んでいる。
こういう時の片倉の決断が厳しくて、苛烈なことを知っているからだ。
「今まで残したのは、園村さんと僕の温情なんだよ。それも分からずに立場も弁えずに、浅緋さんにちょっかい出すなんてあり得ない。そんな奴存在価値すらない。もともと、いらないものを置いていたんだ。ありがたく思いこそすれ、勘違いも甚だしい。それに今の浅緋さんに何ができる?そんな判断すらできないような奴はいらないんだよ」
『了解。大体、俺はなんでお前が旧役員を置いておくのか理解不能だったからな』
「園村さんに一度はチャンスをやってほしいと言われたからだよ。けれど、一度チャンスを与えてもダメだったら容赦なく切っていい、と言われていたんだ」
受話器から笑い声が漏れる。
『あの人らしいな』
「もう、チャンスはやったと思わないか?」
『……だな。じゃあ、いいか』
「お前に任せるよ」
『ハラスメントとか、ありそうな人物だったからな。退職金、出るといいよなあ』
懲戒解雇であれば、退職金は出ないし、自主退職でも事情によっては返納しなければならないこともある。
「もういい。追い出せ」
『厳しいな』
けれど、そんな風に言う槙野の声も笑いを含んでいる。
こういう時の片倉の決断が厳しくて、苛烈なことを知っているからだ。
「今まで残したのは、園村さんと僕の温情なんだよ。それも分からずに立場も弁えずに、浅緋さんにちょっかい出すなんてあり得ない。そんな奴存在価値すらない。もともと、いらないものを置いていたんだ。ありがたく思いこそすれ、勘違いも甚だしい。それに今の浅緋さんに何ができる?そんな判断すらできないような奴はいらないんだよ」
『了解。大体、俺はなんでお前が旧役員を置いておくのか理解不能だったからな』
「園村さんに一度はチャンスをやってほしいと言われたからだよ。けれど、一度チャンスを与えてもダメだったら容赦なく切っていい、と言われていたんだ」
受話器から笑い声が漏れる。
『あの人らしいな』
「もう、チャンスはやったと思わないか?」
『……だな。じゃあ、いいか』
「お前に任せるよ」
『ハラスメントとか、ありそうな人物だったからな。退職金、出るといいよなあ』
懲戒解雇であれば、退職金は出ないし、自主退職でも事情によっては返納しなければならないこともある。