政略結婚かと思ったら溺愛婚でした。
「確かにおっしゃる通りです。すみません。僕はあなたにお詫びしなくてはいけない」

 急に抱き上げられたので視界が高くて、浅緋は片倉の首元に慌ててつかまる。

 片倉の整った顔が近くて、浅緋はドキドキしてしまう。
しかも、その表情は見たことないくらいに嬉しそうなのだ。

 お詫びしなくてはいけないと言っているけれど、とても嬉しそうだし、降ろしてくれる気配がないのはどういうことなのだろうか?

 抱き上げられたその腕の中で浅緋はとても困っていた。
 困る……困るのに嬉しい。

 浅緋を抱き上げる片倉の腕はとても力強くて、そんな片倉に鼓動が大きくなってしまうから。

「あなたの言う通りです。僕が姑息なことをしたから、自分の首を絞めることになったんですね。僕もあなたを好ましく思っていました。あなたが僕の事を知るよりもずっと前からです」

「それ……どこがお詫びなんですか?」

 本当にどこがお詫びなのか分からない。
 それよりもむしろ、熱烈な告白のように感じるのだが、どうしたらいいのだろうか。

 それに、浅緋は片倉の浅緋に対する気持ちは父の遺書のせいで、義理なのだろうと思っていたのだ。
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