政略結婚かと思ったら溺愛婚でした。
 片倉が今度は浅緋のネグリジェの上から胸のあたりに手を乗せる。
 また、浅緋は身体が揺れてしまった。

「すごく、ドキドキしているね」
「は……い」

 先程から、呼吸すらもままならない。たくさん息を吸っても足りなくて、すごく息が乱れてしまうから。

「肌に、直に触れたい。いいかな、浅緋」
 服すらまだ脱いでいないことに初めて気づいた浅緋だ。

「恥ずかしい……まだ、何もしてない、ですよね……?」
「いや? 何もしていないことはないよ。ベッドに入って浅緋を抱きしめて、キスをして……いっぱいキスしたから、足元が心許ないんだよね?」

「はい……おかしいですか?」
「至って結構な反応で嬉しい。我慢できなくなることをしていくから、また足元がふわふわしたら、教えてね」

 そう言って、にこりと片倉は笑った。
 こくこくっと浅緋は頷く。

 おかしくはないらしいけれど、どうやらあのお腹の下がキュンとするような感じになったら、片倉に言えばいいらしいということが浅緋には分かった。

──慎也さんは大人なのだもの、きっとその治し方も分かっているのね。
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