僕惚れ③『家族が増えました』
***
「もう出られそう?」
理人が葵咲にそう聞くと、彼女はこくんと頷いた。
「じゃ、行こうか」
一瞬セレも一緒に連れて出ようかと思った理人だったが、車酔いなどのリスクを考えて、葵咲を下ろしたあとで、また連れに来よう、と思った。
葵咲を無事に大学へ送り届けた理人は、その足で少しだけ図書館へ顔を出すことにした。
「おはよう」
エントランス正面のエレベーター扉が開くと同時に、カウンターにいる鈴木と目が合ったので、にっこり笑って声をかける。
「あ、おはようございます」
午前中は休むと告げていた自分が来たことに驚いた様子で、鈴木が瞳を見開くのへ、「彼女を送ってきたついでに、ちょっとだけ様子を見に来てみたんだ」と小声で告げる。
バイトの子たちのなかで、唯一鈴木にだけはフィアンセとの惚気話をたまに披露していた理人である。
この子が口が固いことは日頃の仕事ぶりからよく知っていたので、気が付くと気が緩んであれこれ話してしまうのだ。
一応館長とバイトと言う関係ではあるが、年齢的に言うと二十六の自分と学生との間には数歳の開きしかないわけで……。
気をつけないと、友人に接するように話してしまいそうになる。
「何も問題はない?」
聞けば、「大丈夫です」と返る。そりゃそうだ。この子はもちろん、今日のメンバーは優秀なのだから。
「じゃあ、申し訳ないんだけど今日は昼まで僕、抜けさせてもらうね。用事が終わり次第すぐ来るつもりではあるから。もしも何か困ったことがあったらメールくれるかな?」
その言葉に、鈴木が頷いたのを確認して、理人はカウンターを離れた。
「もう出られそう?」
理人が葵咲にそう聞くと、彼女はこくんと頷いた。
「じゃ、行こうか」
一瞬セレも一緒に連れて出ようかと思った理人だったが、車酔いなどのリスクを考えて、葵咲を下ろしたあとで、また連れに来よう、と思った。
葵咲を無事に大学へ送り届けた理人は、その足で少しだけ図書館へ顔を出すことにした。
「おはよう」
エントランス正面のエレベーター扉が開くと同時に、カウンターにいる鈴木と目が合ったので、にっこり笑って声をかける。
「あ、おはようございます」
午前中は休むと告げていた自分が来たことに驚いた様子で、鈴木が瞳を見開くのへ、「彼女を送ってきたついでに、ちょっとだけ様子を見に来てみたんだ」と小声で告げる。
バイトの子たちのなかで、唯一鈴木にだけはフィアンセとの惚気話をたまに披露していた理人である。
この子が口が固いことは日頃の仕事ぶりからよく知っていたので、気が付くと気が緩んであれこれ話してしまうのだ。
一応館長とバイトと言う関係ではあるが、年齢的に言うと二十六の自分と学生との間には数歳の開きしかないわけで……。
気をつけないと、友人に接するように話してしまいそうになる。
「何も問題はない?」
聞けば、「大丈夫です」と返る。そりゃそうだ。この子はもちろん、今日のメンバーは優秀なのだから。
「じゃあ、申し訳ないんだけど今日は昼まで僕、抜けさせてもらうね。用事が終わり次第すぐ来るつもりではあるから。もしも何か困ったことがあったらメールくれるかな?」
その言葉に、鈴木が頷いたのを確認して、理人はカウンターを離れた。