魔法の恋の行方・ドラゴンのヘタレ純愛・シリーズ6(グラゴールとエリィ)
<エルフの神殿・出会い・その3>

その声はかすれている。

「ええ、もちろん」
女性神官は笑った。
それは
花がほころぶように美しい。

カーーン・・・カーーーン

神殿の鐘楼から、鐘が鳴りはじめた。
「ああ、行かないと」

女性神官は鐘楼を見上げた。
「あの・・名前を・・」
グラゴールはあわてて聞いた。

「私?」
グラゴールはうなずいた。

女性神官は、微笑んで
「エリクサ。でも皆はエリィって
呼びます」

エリィは水桶を持った。
「お帰りは気をつけてくださいね」
彼女は心配げに言うと、
神殿に戻っていった。

< 11 / 60 >

この作品をシェア

pagetop