魔法の恋の行方・ドラゴンのヘタレ純愛・シリーズ6(グラゴールとエリィ)
グラゴールは柄杓を手に、
そのままずっと立っていた。
柔らかい風が、
ハーブの香りを遠くに運ぶ。

ミツバチたちが、花の間を飛び交っている。
どこまでも、静かだ・・・

エリクサ・・・エリィ・・

グラゴールは口の中で、
その名前を繰り返す。
また、
会いたい、その声が聴きたい、
その手に触れたい。

それは・・
グラゴールが、
恋に落ちた瞬間だった。

皮肉な事に・・
老婆の姿だったが・・・・

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