魔法の恋の行方・ドラゴンのヘタレ純愛・シリーズ6(グラゴールとエリィ)

誘拐事件・19~20

<グラゴールの誘拐事件>

グラゴールの気持ちは、
()いていた。

自分の領地のトラブル解決のため、なかなか神殿に行く時間が、
取れなかったのだ。

翼を大きく広げ、神殿を目指した。

エリィは・・・?
ハーブの畑で、緑の頭が動いて見える。
葉を摘みながら移動している。

グラゴールは、
ほっと安堵の息を吐いた。
音を立てないように、果樹園の脇に着地した。

老婆の姿になり、果樹園の木の間を抜け、ハーブの畑へと歩いて行った。

「エリィ・・」
グラゴールが、小さい声で呼んだ。
緑の頭が振り向いた。

「まぁ・・こんにちは」
エリィが満面の笑みを浮かべて、
グラゴールのそばに小走りで来た。
「あのね、あのね、
合格したんです!あなたのおかげで!」

エリィが老婆に・・
いやグラゴールに抱きついた。
「ありがとう!!」

グラゴールは
エリィの柔らかな感触と、
大きな花束を抱きかかえたような
香りに頭がくらくらした。

< 19 / 60 >

この作品をシェア

pagetop