魔法の恋の行方・ドラゴンのヘタレ純愛・シリーズ6(グラゴールとエリィ)
エリィは馬の上で、
大きな声で騒いでいる。
「んじゃ、少し飛ばしてみますが・・・やほほほぉぉぉ」

グレーズの馬の扱いは
超一流だが・・・
それでもかなり飛ばしている。

「きゃーーぁーー」
エリィの悲鳴が流れるように
響く。

どうどうどう・・・
グレーズが馬を止めた。

「きゃはははは・・
怖いけど、超楽しーーーい」
エリィは肩で息をしながら、
大声で笑った。

「それはよかったですだ」
グレーズはのんびりと答えた。

エリィは現代風に言うと、
ジェットコースター大好き女子
だったのだ。
エリィは高い石垣の所で、
馬から降りた。

「アンナのポニーを連れてきますだ」
グレーズが馬屋に戻る途中、
木の陰でグラゴールが、鋭い声で
呼び止めた。

「二人乗りなんて、やりすぎだぞ!!グレーズ!」
「はぁ?
旦那様がやってみたいと思っている事を、
おらが代わりにしておきましただ。
エリィ様は飛ばすのが、
お好きですだ」
グレーズはすまして答えた。

「まったくっ!」
グラゴールは、何とか怒りを抑えた。

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