魔法の恋の行方・ドラゴンのヘタレ純愛・シリーズ6(グラゴールとエリィ)

ドラゴンの告白・49~51

<深夜の台所・その1>

夜半、
雨が降り始めて、強くなってきている。

エリィは
館の絵を仕上げようと夢中になっていたら、結構遅い時間になっていたのに気が付いた。

窓の隙間が、
ガタガタ風で鳴っている。

机の上の水差しを見ると、空に
なっている。
お水をもらわなくては・・

エリィは水差しを持って
台所に向かった。
台所の扉の隙間からは、明かりが漏れている。
その隙間から、アンナの背中が見えた。

「あ・・」
エリィが
声をかけようとした時だった。

「まぁまぁ、旦那様、びしょぬれで・・」
アンナが立ち上がり、
井戸のある土間のほうに、小走りで向かった。

その暗闇から・・・
花束を抱えてグラゴールが、入ってきた。
「ああ、途中でひどくなって・・
花が台無しだ」
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