ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

そうだったのか。


「桃ちゃんにもピーマンが食べられないこと秘密にしてるのね。きっと、必死で隠してるのよ」

「どうして隠す必要が……?」


言っちゃったほうが、堂々とピーマンの入った料理を作らなくて済むはずなのに。

おかしいの。


「そりゃあ決まってるでしょ。桃ちゃんにかっこ悪いところを見せたくないのよ~。ピーマンが食べられないなんて、おこちゃまだもの。ふふふっ」


そう言って笑う光莉さんに、なんとなく納得。

だけど、私の前でかっこつける必要があるのかなあ。

そっか! いつも私をペット扱いしてるから弱みを見せたくないんだな。

でもいいこと聞いた!


──カチャ。

再び伊緒くんがリビングに戻ってきて、まだ電話している私を見てぎょっとしたように目を見開く。

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