ずるすぎる幼なじみと甘々ふたりぐらし。

なだれ込むように、伊緒くんの隣に寝転がされて。

そのままぎゅーっと抱きしめられてしまった。


「ちょ、伊緒くんっ……!?」


な、なにが起こったの?


「抱き枕はだまってて」


ううっ。
そう。私は今、抱き枕……。

目をぎゅっとつぶって、身を縮める。

だけど、心臓ばっくばくでまともに息もできない。


「うんうん、いい感じだな」


ブツブツつぶやきながら私をゴロゴロ動かす伊緒くんは、やがて、私の足に自分の足を絡めてきた。

スカートから伸びた生足に、伊緒くんの足が直に当たる。


「ひやっ……」


思わず声が出ちゃって、慌てて手で押さえた。

抱き枕の使い方としては正しいよ! 足を乗せると楽だもんね。

ってそうじゃないよ~。
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