7日間花嫁を演じたら、冷徹富豪な石油王の極上愛に捕まりました
「婚約者に逃げられたと知れば、父さんも会長職を永斗に譲渡できなくなる。僕は今の立場を維持したいだけなんだ。決して永斗を傷付けたいわけではない」
「でも……」
「すでにプライベートジェットの手配は済ませてある。だが沙羅、君には最後の仕事が残されている」
「最後の仕事……?」
「万が一永斗が君のことを日本に追いかけていくようなことがあっては困るからな」
「どういう意味ですか……?」
「出来る限り永斗を傷付けるんだ。君の顔を二度とみたくないというほど、徹底的にだ」
「そんな……!!」
「もしも永斗に今僕が言ったことを告げ口すれば、どうなるか分かるね?」
海さんの言うことを聞かなければ、今度こそ永斗さんに命の危険が伴う可能性がある。
「沙羅が永斗のことを本当に想っているなら選択肢は一つしかないはずだ」
「……分かりました」
永斗さんを楯にされれば私が刀を振るうことはできない。
それを海さんは分かっている。私は結局、海さんの手のひらの上で踊らされているだけに過ぎない。
なんて無力なんだろう……。あまりの情けなさに目頭がカッと熱くなる。
「良い子だ、沙羅。話が分かる人間でよかった」
海さんが満足げに微笑む。私はぐっと拳を痛いぐらいに握りしめた。
本意ではない。でも、従わなければ永斗さんが危ない。
私は海さんに促され再び病室に向かって歩き出した。
「――沙羅!」
病室の扉を開けた瞬間、永斗さんは私に気付き声をあげた。
室内はVIP専用の個室で信じられないぐらいの広さがある。永斗さんは慌ててベッドから足を下ろそうとした。
「まだ動いてはダメです!」
慌てて永斗さんを制止する。
「……心配してくれているのか?」
出会った時はあんなに無表情だったのに……。驚きと喜びの入り混じった表情の永斗さんに胸が締め付けられる。
「ケガの具合はどうですか?」
「これぐらい平気だ。大したことはない。それより怪我はなかったか?」
「私は大丈夫です」
頭に包帯を巻いて痛々しい様子なのに永斗さんは私の心配ばかりしている。
そんな永斗さんのまっすぐな優しさに胸が打たれた。
「医者は念のため2日間は経過観察のために入院しろと言っていた。だが、ここでじっと寝ているわけにはいかない。俺達には時間が少ないからな」
私は何もいうことができない。
だって、私は数時間後には空の上にいるんだから――。
「明日は一日休みをとれることになって時間がある。沙羅は何かしたいことはあるか?」
「私は……」
「ああ、すまない。今日は疲れただろうし、もう休んだ方がいい。奥に見舞客専用の部屋がある。ベッドやシャワー室もあるから好きに使ってくれ」
私の表情が暗いことを察して疲れたのかと誤解したのかもしれない。
……こんな風に私を思いやってくれている永斗さんに一体どうやって切り出したらいいの……?
頭の中で考えを巡らせる。
永斗さんは私への好意を伝えてくれた。だからこそ、私はここで突き放さなければいけない。
本当はそんなことしたくない。
出来ることならば、永斗さんのそばにずっといたい。
もっと彼を知りたかったし、私のことだって知ってほしかった。
私は彼を愛してしまった。自分ではもう抗えないほどに……。
「沙羅、こっちへおいで」
手を引かれてベッドサイドに腰かけると、永斗さんが私を後ろから抱きしめた。
肩に顔を埋めた永斗さんに胸が高鳴る。ずっとこの温もりに包み込まれていたい。
でも、私は溢れ出そうになる感情をぐっと抑え込んだ。
「お前と一瞬たりとも離れていたくないんだ」
「――離して下さい」
私は体に回った永斗さんの腕を解いた。
「でも……」
「すでにプライベートジェットの手配は済ませてある。だが沙羅、君には最後の仕事が残されている」
「最後の仕事……?」
「万が一永斗が君のことを日本に追いかけていくようなことがあっては困るからな」
「どういう意味ですか……?」
「出来る限り永斗を傷付けるんだ。君の顔を二度とみたくないというほど、徹底的にだ」
「そんな……!!」
「もしも永斗に今僕が言ったことを告げ口すれば、どうなるか分かるね?」
海さんの言うことを聞かなければ、今度こそ永斗さんに命の危険が伴う可能性がある。
「沙羅が永斗のことを本当に想っているなら選択肢は一つしかないはずだ」
「……分かりました」
永斗さんを楯にされれば私が刀を振るうことはできない。
それを海さんは分かっている。私は結局、海さんの手のひらの上で踊らされているだけに過ぎない。
なんて無力なんだろう……。あまりの情けなさに目頭がカッと熱くなる。
「良い子だ、沙羅。話が分かる人間でよかった」
海さんが満足げに微笑む。私はぐっと拳を痛いぐらいに握りしめた。
本意ではない。でも、従わなければ永斗さんが危ない。
私は海さんに促され再び病室に向かって歩き出した。
「――沙羅!」
病室の扉を開けた瞬間、永斗さんは私に気付き声をあげた。
室内はVIP専用の個室で信じられないぐらいの広さがある。永斗さんは慌ててベッドから足を下ろそうとした。
「まだ動いてはダメです!」
慌てて永斗さんを制止する。
「……心配してくれているのか?」
出会った時はあんなに無表情だったのに……。驚きと喜びの入り混じった表情の永斗さんに胸が締め付けられる。
「ケガの具合はどうですか?」
「これぐらい平気だ。大したことはない。それより怪我はなかったか?」
「私は大丈夫です」
頭に包帯を巻いて痛々しい様子なのに永斗さんは私の心配ばかりしている。
そんな永斗さんのまっすぐな優しさに胸が打たれた。
「医者は念のため2日間は経過観察のために入院しろと言っていた。だが、ここでじっと寝ているわけにはいかない。俺達には時間が少ないからな」
私は何もいうことができない。
だって、私は数時間後には空の上にいるんだから――。
「明日は一日休みをとれることになって時間がある。沙羅は何かしたいことはあるか?」
「私は……」
「ああ、すまない。今日は疲れただろうし、もう休んだ方がいい。奥に見舞客専用の部屋がある。ベッドやシャワー室もあるから好きに使ってくれ」
私の表情が暗いことを察して疲れたのかと誤解したのかもしれない。
……こんな風に私を思いやってくれている永斗さんに一体どうやって切り出したらいいの……?
頭の中で考えを巡らせる。
永斗さんは私への好意を伝えてくれた。だからこそ、私はここで突き放さなければいけない。
本当はそんなことしたくない。
出来ることならば、永斗さんのそばにずっといたい。
もっと彼を知りたかったし、私のことだって知ってほしかった。
私は彼を愛してしまった。自分ではもう抗えないほどに……。
「沙羅、こっちへおいで」
手を引かれてベッドサイドに腰かけると、永斗さんが私を後ろから抱きしめた。
肩に顔を埋めた永斗さんに胸が高鳴る。ずっとこの温もりに包み込まれていたい。
でも、私は溢れ出そうになる感情をぐっと抑え込んだ。
「お前と一瞬たりとも離れていたくないんだ」
「――離して下さい」
私は体に回った永斗さんの腕を解いた。