・LOVER—いつもあなたの腕の中—
 そんな二人を前に「もしかして……」と言いかけた私に、深山さんがはにかんだ笑顔で「その節は、世話になりました」と口にしたので、二人の仲が上手くいったのだと直感した。
 深山さんの隣りに立つ芽衣も。いつもの仕事人間の顔から、すっかり恋愛真っ最中の女性の顔つきをしていて。
 なんだか、見せつけられている私の方が照れてしまいそうな程だ。


 どうやらリュウのマネージャーさんから仕事に携わった深山さんへも上映会の招待があったらしく。
 深山さんと私から誘いを受けてしまった芽衣は「それなら三人で出席すればいい」と判断したのだという。

 三人そろって上映会場に乗り込み、案内された席へと腰を下ろした。


「なんだか緊張するね」なんて口にした芽衣だけれど。私の方がその何十倍も緊張している。その証拠に、さっきから指先が冷たくなっていて感覚が無い。

 上映時間となり、会場が暗転すると。目の前のスクリーンいっぱいに妖艶な表情を浮かべたリュウの姿が映し出された。


 リュウの魅力を見せつけられ、会場に居る人達の心を掴んでいるのが分かる。あちこちから聞こえてくる見惚れてしまい自然と出てしまう溜め息や、時折鼻をすする音。
< 232 / 253 >

この作品をシェア

pagetop