・LOVER—いつもあなたの腕の中—
「優羽」
「ホントに、本物の……隆好、なの?」
「人を幽霊扱いするなよ、間違いなく本物!」
隆好の顔を包んでいた私の両手の上に、被された隆好の手から伝わってくる体温を感じると。
スイッチが入ってしまったように、止めどなく大粒の涙が零れだしてしまった。
「久々の再会なんだから泣くなよ。ほら、ちゃんと顔見せて?」
顔を覗き込まれ、隆好の親指が頬を伝う涙を拭った瞬間。
真一文字に口を結んでいた私は、緊張の糸が緩んでしまい、我慢していた気持ちを押し殺したままでいることが出来ずに、声を上げて泣き出してしまった。
そんな私を目の当たりにした隆好は、オロオロして。
ただ、ひたすらに私を抱きしめ、頭を優しく撫でながら「ごめん」と繰り返していた。
やっと落ち着きを取り戻した私は、背中から優しく包み込んでくれている隆好に身体を預け。
二人で眺めているのは、社長室の窓から見えているニューヨークの街。
街の景色に視線を向けたまま、隆好は私達が離れ離れになった日からのことを話してくれた。
本当は私が強がっていると気づいていたのに、自分の決めた事を押し通すために、気づかないふりをしてしまったことを悔やんでいたこと。