・LOVER—いつもあなたの腕の中—
バス停に背を向け歩き出し信号を二つ過ぎた頃、肩にかけていたバッグの中からスマホの着信音が鳴り、曲がり角の手前で足を止め。ゴソゴソと手探りでスマホを探し当て取り出すと、ディスプレイには先程挨拶を済ませた店長の名が表示されていた。
「何かあったのかな? ……はい、真島です」
『ゴメンゴメン、さっき言うの忘れちゃったんだけど……』
電話の向こうの店長は本社に立ち寄る私に用事を頼みたかったらしく、機関銃のように忘れていた用件を口にしだした。しかも一件どころの騒ぎではなく、次々と話す店長を一旦落ち着かせようとタイミングを見計らいキリの良さそうなところで声をかける。
「ちょ、ちょっと待ってください。そんなに沢山ある用件ならメモを取りますから」
スマホを左耳と左肩で挟み、表紙には社名が印字され毎年社員全員に支給されている手帳をバッグから取り出す。「お待たせしました、続けて下さい」と答えながら手帳を開きペンを手に取る。
左耳はスマホから聞こえてくる店長の話し声に集中しながら、左手で手帳を支え右手で持っているペンを走らせた。
「……はい、はい。分かりました、それは私の方で確認しておきます」
「何かあったのかな? ……はい、真島です」
『ゴメンゴメン、さっき言うの忘れちゃったんだけど……』
電話の向こうの店長は本社に立ち寄る私に用事を頼みたかったらしく、機関銃のように忘れていた用件を口にしだした。しかも一件どころの騒ぎではなく、次々と話す店長を一旦落ち着かせようとタイミングを見計らいキリの良さそうなところで声をかける。
「ちょ、ちょっと待ってください。そんなに沢山ある用件ならメモを取りますから」
スマホを左耳と左肩で挟み、表紙には社名が印字され毎年社員全員に支給されている手帳をバッグから取り出す。「お待たせしました、続けて下さい」と答えながら手帳を開きペンを手に取る。
左耳はスマホから聞こえてくる店長の話し声に集中しながら、左手で手帳を支え右手で持っているペンを走らせた。
「……はい、はい。分かりました、それは私の方で確認しておきます」