・LOVER—いつもあなたの腕の中—
「そんな深刻に考え込むような話じゃないだろ。それより、このことを知った真島には頼みがある」
座り込み頭を抱えている私の頭上には、副社長の手が乗せられていて。顔を上げると、目の前に同じ目線の高さで副社長の顔があった。
確かに似てる。似ているどころか同じだよ。
頭に乗せられている手の感触も、眼鏡を外してオールバックに整えている髪をラフにしたら、まさに西田さんそのものだ。
どうしてもっと早く気付かなかったのだろう。よく見れば、二人は同じ顔をしているじゃないか。
至近距離に居る副社長が、副社長なのか西田さんなのか混乱してきて分からなくなり。西田さんの姿に見とれてしまった時と同じように、副社長を見つめてしまう。
「真島?」
「……あ、すみません」
名前を呼ばれ、パッと視線を外す。そんな私に副社長は「このことを口外しないでほしい」と頭を下げたのだ。
今回、西田リュウを我が社のイメージキャラクターに起用することになったのは二人が兄弟だからでもなく、西田リュウが社長の息子だからでもない。
地道な努力を重ね、力をつけ活躍の場を広げ、徐々に注目を浴びるようになった「俳優の西田リュウ」を起用したいと、冷静な判断をしてオファーしたまでのことだと教えてくれた。
座り込み頭を抱えている私の頭上には、副社長の手が乗せられていて。顔を上げると、目の前に同じ目線の高さで副社長の顔があった。
確かに似てる。似ているどころか同じだよ。
頭に乗せられている手の感触も、眼鏡を外してオールバックに整えている髪をラフにしたら、まさに西田さんそのものだ。
どうしてもっと早く気付かなかったのだろう。よく見れば、二人は同じ顔をしているじゃないか。
至近距離に居る副社長が、副社長なのか西田さんなのか混乱してきて分からなくなり。西田さんの姿に見とれてしまった時と同じように、副社長を見つめてしまう。
「真島?」
「……あ、すみません」
名前を呼ばれ、パッと視線を外す。そんな私に副社長は「このことを口外しないでほしい」と頭を下げたのだ。
今回、西田リュウを我が社のイメージキャラクターに起用することになったのは二人が兄弟だからでもなく、西田リュウが社長の息子だからでもない。
地道な努力を重ね、力をつけ活躍の場を広げ、徐々に注目を浴びるようになった「俳優の西田リュウ」を起用したいと、冷静な判断をしてオファーしたまでのことだと教えてくれた。