・LOVER—いつもあなたの腕の中—
「独りで頑張ってきたアイツの努力を無駄にしたくないんだ」
「分かっています、誰にも言いません」
言えるわけがないよ。西田さんの足を引っ張るようなことを、私が出来るわけがない。
ううん。今はむしろ「私も西田さんを守らなければ」とさえ思っているのだから。
それにしても、よく今まで誰にも気づかれずにいたものだ。あれだけメディアに顔を出している西田さんと同じ顔をしている副社長なのだから、社内の誰かに気づかれてもおかしくないはずなのに。
「副社長っていうお飾り程度の役職と、自由な身だからな。うちの社員とは今まで交流を避けていたし。だが今回の仕事で社員達と接する機会が急激に増えた。少し気がかりではあったんだ。もしかしたら誰かに気付かれてしまうかもしれないと」
社長と副社長の秘書である高田さん。そして西田リュウのマネージャーさんだけが知っている秘密を、私も共有することになった。
「任せて下さい。絶対外部に漏れないようにします」
ドンと胸を叩く私に不安げな表情を浮かべた副社長は「ドジって尻尾を掴まれるなよ」と、念をおすように呟いた。
「……よくご存じで。あ、そっか。西田さんから私のことを聞いてるんですね?」
「分かっています、誰にも言いません」
言えるわけがないよ。西田さんの足を引っ張るようなことを、私が出来るわけがない。
ううん。今はむしろ「私も西田さんを守らなければ」とさえ思っているのだから。
それにしても、よく今まで誰にも気づかれずにいたものだ。あれだけメディアに顔を出している西田さんと同じ顔をしている副社長なのだから、社内の誰かに気づかれてもおかしくないはずなのに。
「副社長っていうお飾り程度の役職と、自由な身だからな。うちの社員とは今まで交流を避けていたし。だが今回の仕事で社員達と接する機会が急激に増えた。少し気がかりではあったんだ。もしかしたら誰かに気付かれてしまうかもしれないと」
社長と副社長の秘書である高田さん。そして西田リュウのマネージャーさんだけが知っている秘密を、私も共有することになった。
「任せて下さい。絶対外部に漏れないようにします」
ドンと胸を叩く私に不安げな表情を浮かべた副社長は「ドジって尻尾を掴まれるなよ」と、念をおすように呟いた。
「……よくご存じで。あ、そっか。西田さんから私のことを聞いてるんですね?」