【完】溺愛体質の彼は私に好きと言わせてくれない
私ってそんなふうに見られてたんだ。たまにはオシャレとかにも目を向けてみようかな。






松島さんと谷本さんか。これからも仲良くできるといいな。







昴には今日一日、一度も会えず、保健室にも来てないと先生から伝えられた。






毎日会っていた人に会えないのは寂しい気がする。






明日には会えるといいな。





「榛名ちゃん」




…っ!!





そんな思いが通じたのか、依乃里の前に昴の姿があった。依乃里はすぐに駆け寄り、昴に抱きついた。






「会いたかった…」




短い時間だったのに、こんなに会えたことが嬉しいなんて。やっぱり私は先輩が好きだ。





「俺も。少し話したいから場所変えようか」







そうだったここは学校。あまりの嬉しさでつい、先輩に。





学校近くのカフェに移動した二人。





向かい合って座り、依乃里はホットミルク、昴はホットコーヒーを注文した。





「外寒かったね。体調はどう?」





「一晩寝てだいぶ楽になりました。先輩のおかげです」





怒ってるわけではなさそう。いつもの優しい昴先輩だ。





「俺のおかげか。帰り際に俺、榛名ちゃんに酷いことしたから嫌われたかと思ってた...」






「それは私の方です。先輩の気持ちも考えないで告白なんかしようとして…。迷惑でしたよね」
< 11 / 173 >

この作品をシェア

pagetop