【完】溺愛体質の彼は私に好きと言わせてくれない
この食いしん坊。先輩の前でもこんなに食い意地張ってんのか?




それとも俺だけしか知らない1面なのか。俺しかしないでいて欲しい。





こんな可愛い1面を先輩に見られることを考えたら俺だって嫌な気持ちになる。





独り占めしたい。この幸せそうに食べる依乃里を……。





「どうしたの?」






「休み明けが楽しみになってきた」





そしたらもうひとつ新しい1面も見られるだろうな。その時は盛大にからかってやろう。





「え?どういうこと?」






自分の食欲分かってないな。そういうところも可愛いけど。






食事を終えた八雲はバルコニーに出て夜風に当たっていた。





寒いな。





雪、明日には溶けてるだろうな。ホワイトクリスマスか。






この雪は何を表しているんだ。






喜び?それとも悲しみか………。






見る人によってはどっちも捉えられるだろう。






俺にはこの雪は悲しい気持ちを表しているように見える。






これから依乃里に告白する。その後の俺の気持ちを見ているようなんだこの雪は。






結果が見えてると言った方が正確だろう。
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