甘い夜の見返りは〜あなたの愛に溺れゆく
【ずっとあなたに溺れ続ける】
忙しいさなか、ようやく取れた休日。
くつろいでいると荷物が届いた。
「湊さん、段ボールが会社から届きましたけど?」
「あぁ、これ、頼んでたんだ」
「浴衣、ですか?」
「あぁ、写真だとイメージ湧かないし、サンプル作ってみたんだ」
「へぇー、わっ、これ可愛い」
「男性よりやっぱり女性だろ?着てみて」
「いいんですか?」
「俺が結羽に着せたいから、送ってもらった」
私は早速部屋に入って、着替えた。
「どうですか?これ、可愛いですね」
「うーん、次のは?」
「わぁ、これも可愛い!」
「次は?」
最後の1枚を残して、全部着てみた。
「どれが良かったですか?」
「全部良かったから選べないよ」
「もーっ」
「ところでさ、もう1枚無かった?」
「あ、あれは女性としては、また下に何か着ないと動きにくいですから。やっぱりこっちのズボンタイプがいいですよね」
「あと1枚は、俺が結羽に着せたいだけだから、着てみて」
「でも…」
「着てみて」
熱い眼差しに見つめられて、仕方なく着替える事にした。
「これで…いいですか?」
何てことはない。
普通の前がはだけてしまう浴衣だけど、着慣れないから、歩くだけで前がはだけてしまう。
襟元と足下を直し、顔を上げると、湊さんが目の前にいた。
「きゃっ」
ベッドに押し倒され、浴衣がはだけ、足があらわになった。
色気ある熱を帯びた瞳に見つめられ、
「この浴衣はダメだね。結羽のこんな姿、他の人には見せられない」
胸元に落とされる唇と、はだけた足に沿う手がゾクッとした。
「でも、俺と泊まる時は、この浴衣ね」
ゆっくりと解かれる帯に、私も気持ちが高揚し、自分が自分じゃないくらい、湊さんに乱された。
「結羽の乱れる姿、もっと俺に見せて」
湊さんと抱き合う度に、色々な喜びを覚えていく。
初めての甘い夜から、私はずっと湊さんに溺れっぱなしだ。
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