僕惚れ④『でもね、嫌なの。わかってよ。』
 さっき葵咲(きさき)ちゃんとエッチしたセミダブルには向かわず、かと言ってもう一方のベッドにも行かずに――。

 僕はとりあえずベッド付近に脱ぎ散らかしたままだった二人の服を拾い上げると、軽く畳んで乱れていない方のベッドに載せた。

 テレビの前に、丸テーブルを挟むように椅子が二脚、向かい合わせで置かれている。その一方に腰掛けて、僕はテレビをつけた。

 葵咲ちゃんがテレビを観てて?と言うのだからそうしよう、と思っただけで、別に観たい番組があるわけではないので適当にザッピングをしながらぼんやりと画面を眺める。

(お風呂から上がってきた葵咲ちゃんと、とりあえずディナーを愉しむとして……そのあと何回ぐらい彼女を抱けるかな)

 明日も休みだと思うと、ついついそんなことばかり思ってしまう。
 僕の葵咲ちゃんに対する底なしの性欲は、どこにいてもそんなには変わらないけれど、葵咲ちゃんは旅先とか環境の変化に割と(ほだ)されやすいところがある。

 愛する女の子が、いつもより感度も開放感も高くなるんだとしたら、そんなチャンスを活かさない男はいないだろ?


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