僕惚れ④『でもね、嫌なの。わかってよ。』
***


 夜。
 ひおちゃんのお家で沢山美味しいものをご馳走になって、すごく広いお風呂にひおちゃんと一緒に入った。
 小さい頃にも爆然と思っていたけれど、ひおちゃんのお家は大きな日本家屋で、絶対お金持ちだと思う。

 幼心に、ひおちゃんの喋り方、少し自分たちとはズレたお嬢様然とした感じがするなって感じていたけれど、大人になってひおちゃんに再会して、その思いはさらに一層強くなった。

「私、ひおちゃんとお友達になれたの、奇跡な気がする」

 湯船に浸かりながらほぉっと吐息混じりにそう言ったら、「それはお互い様なのです」と即答された。

「え?」
 びっくりして、すぐ横で湯船に浸かるひおちゃんを見たら、「私、変な子だったので、なかなかお友達ができなかったので……」とモニョモニョされた。

「変な子?」

 思わず問い返すと、「ほら、話し方も変ですし……あと……すぐ妄想の旅に出ちゃうのでっ。ききちゃん以外の皆さんは、気持ち悪がってなかなか仲良くしてくださらなかったのです」と淡く微笑まれた。

「ひおちゃん」

 何だか切なくなって、思わず横からギュッて抱きしめたら、「わわわっ。ききちゃん、おっぱい! 当たってますっ」って何で女同士で慌てるの?って可笑しくなってしまった。
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