僕惚れ④『でもね、嫌なの。わかってよ。』
「あ、あのっ、ききちゃん……」

 ひとしきりギューッてしていたら、ややして耳まで真っ赤にしたひおちゃんが、しどろもどろに話し始めて。

 私は「ん?」と彼女から少し離れる。

「ききちゃんは……その……彼氏さんと……えっと……一緒にお風呂に入ったり、したこと……ありますか?」

 いやん、ちょっと待ってひおちゃん、可愛すぎるっ!

 オロオロとした様がすごく可愛くて、私はキュン、としてしまう。

 あー、でもダメ。このまま話してたら上せちゃう。

「ひおちゃん、とりあえずお風呂から上がって話そう?」

 言ったら、「そっ、それもそうですねっ。このままでは倒れてしまいそうなのですっ」って自覚はあったみたい。
 そこがまた可愛くて、私は思わず笑ってしまった。

「ひおちゃんのパジャマ、すごく可愛い!」

 フリルがついた淡いピンク色のパジャマ。イチゴの柄が散りばめられていてすごく女の子らしくて。

「ききちゃんのブルーのパジャマも大人っぽくて、お似合いなのですっ」

 私は童顔なので、こういう子供っぽいのしか似合わないだけなのです、と付け加えるひおちゃんが可愛くて、私は思わずギュッと抱きしめたくなる。
 っていうか抱きしめちゃった。

「く、苦しいですっ」
 ひおちゃんにジタバタされて、私は慌てて腕を緩めた。

「塚田さんがひおちゃんを溺愛したくなるの、分かる気がする」

 ひおちゃんの目をじっと見つめてそう言ったら、「しゅ、修太郎(しゅうたろう)さんはちょっと過保護すぎますっ」
 と真っ赤になるの。

 ひおちゃん、本当、可愛い。

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