僕惚れ④『でもね、嫌なの。わかってよ。』
「そこ以外にどこが……」
――あるっていうの?
そう問いかける前に、理人の声が低く誘うようにかぶさってきた。
『例えば……耳の中とか』
言われた途端ビクッと身体が跳ねて、葵咲は「ね、理人。も……、無理……」と弱音を吐いてしまう。
『何が無理なの? 耳の中に触れること?』
意地悪く聞かれて、「だって……耳が痒いわけでも……耳かきをしなきゃいけないわけでもないのにそんなところを触るなんて……。へ、変だもんっ」って言ったら、『変? 僕は昨日、キミのそこに別の意図で舌を這わせたよ?』とか。
言われた瞬間、葵咲は理人にそうされたことを思い出して、背筋に沿って肌がいやらしく粟立ったのを感じて。
それにつられたみたいに、望んでもいないのに下腹部までキュンと疼いたことが、凄く凄く虚しく思えた。
――あるっていうの?
そう問いかける前に、理人の声が低く誘うようにかぶさってきた。
『例えば……耳の中とか』
言われた途端ビクッと身体が跳ねて、葵咲は「ね、理人。も……、無理……」と弱音を吐いてしまう。
『何が無理なの? 耳の中に触れること?』
意地悪く聞かれて、「だって……耳が痒いわけでも……耳かきをしなきゃいけないわけでもないのにそんなところを触るなんて……。へ、変だもんっ」って言ったら、『変? 僕は昨日、キミのそこに別の意図で舌を這わせたよ?』とか。
言われた瞬間、葵咲は理人にそうされたことを思い出して、背筋に沿って肌がいやらしく粟立ったのを感じて。
それにつられたみたいに、望んでもいないのに下腹部までキュンと疼いたことが、凄く凄く虚しく思えた。