僕惚れ④『でもね、嫌なの。わかってよ。』
「ねぇ葵咲。キミは僕がどれだけキミのことを愛しているか、分かってる?」

「だったら何で――っ!」

 僕の言葉に葵咲ちゃんが何かを言い返そうとしたけれど、折り悪しく信号が青になってしまった。

 鳥のさえずり音とともに『信号が青になりました』という、録音されたと思しき女性のアナウンスが流れてくる。

 葵咲ちゃんがその音に弾かれたように道路を渡り始めたので、僕も慌てて彼女の横に並ぶ。

「葵咲。部屋に入ったら……確認してもらいたいことがあるんだ」

 ただひたすらに前だけを見据えて歩く葵咲ちゃんに、僕は意を決して言葉を投げかける。

 彼女を騙すことになったとしても、僕はこの計画を実行に移すつもりだ。

 今のままじゃ、彼女が傷つく。

 だったら――。
 僕は葵咲ちゃんに嘘をつき通す覚悟を選ぶ。
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