名無しのヒーロー ~シングルマザーは先生に溺愛されました~
その言葉に頷くと朝倉先生は窓の外に視線を送り、ゆっくりと話し出した。
「私は、以前結婚していて、その結婚生活が突如として終わりを告げたのは、4年前。今日みたいに晴れて青空が広がっている日だった。彼女が買い忘れがあるから近くのコンビニまで行くと言って部屋を出て行った。
しかし、何時まで待っても彼女は帰って来ない。携帯電話も繋がらず、私が警察からの電話で病院に駆け付けた時には、既に彼女もお腹の子供も冷たくなっていたんだ。原因は、コンビニの手前で暴走車に轢かれたと説明があった」
朝倉先生は、眉根を寄せて瞼を閉じた。
私は掛ける言葉が見つからず、朝倉先生と重なる手に力を込めた。
朝倉先生は、その手を見つめ話しを続ける。
「何故、あの時、一緒に行かなかったのか、一緒に行っていたら彼女もお腹の子も助かったのではないかと自身を責め、自暴自棄になってしまった。姉たちにも随分と心配を掛けたと思う。どうにか立ち直ったけれど、心の中は、冷え切ってしまっていたんだ。何を聞いても、何を見ても気持ちが動かない日々が何年も続いていた」
朝倉先生は、私が握る手に空いているもう片方の手を重ねた。温かい大きな手が私を包む。
「去年の12月夏希さんに出会って、私の世界がひっくり返った」
「私?」
「そう、フラフラと車道に出て行く夏希さんを支えたあの時。まさか、出産に付き合う事になるとは思わなかったよ」
と、朝倉先生は思い出したように微笑んだ。
つられて私もフッと緊張が緩む。
「私は、以前結婚していて、その結婚生活が突如として終わりを告げたのは、4年前。今日みたいに晴れて青空が広がっている日だった。彼女が買い忘れがあるから近くのコンビニまで行くと言って部屋を出て行った。
しかし、何時まで待っても彼女は帰って来ない。携帯電話も繋がらず、私が警察からの電話で病院に駆け付けた時には、既に彼女もお腹の子供も冷たくなっていたんだ。原因は、コンビニの手前で暴走車に轢かれたと説明があった」
朝倉先生は、眉根を寄せて瞼を閉じた。
私は掛ける言葉が見つからず、朝倉先生と重なる手に力を込めた。
朝倉先生は、その手を見つめ話しを続ける。
「何故、あの時、一緒に行かなかったのか、一緒に行っていたら彼女もお腹の子も助かったのではないかと自身を責め、自暴自棄になってしまった。姉たちにも随分と心配を掛けたと思う。どうにか立ち直ったけれど、心の中は、冷え切ってしまっていたんだ。何を聞いても、何を見ても気持ちが動かない日々が何年も続いていた」
朝倉先生は、私が握る手に空いているもう片方の手を重ねた。温かい大きな手が私を包む。
「去年の12月夏希さんに出会って、私の世界がひっくり返った」
「私?」
「そう、フラフラと車道に出て行く夏希さんを支えたあの時。まさか、出産に付き合う事になるとは思わなかったよ」
と、朝倉先生は思い出したように微笑んだ。
つられて私もフッと緊張が緩む。