名無しのヒーロー ~シングルマザーは先生に溺愛されました~
「園原さんの田舎ってどこ?」
紗月が将嗣にワクワクとした感じで話し掛けた。
「福島の会津地方だよ。観光も兼ねて2泊3日ぐらいで温泉宿に泊まってのんびり美味しいものでも食べたらいいかなって思っているんだ」
「温泉かー。いいねぇ」
「知り合いで、旅館やっている人がいて、その宿の離れが露天風呂付きでのんびり出来て最高なんだよ」
ふたりの会話はテンポよく、旅行の予定でも立てているようにスルスルとプランが提示されていた。
「いいなぁ。部屋付き露天風呂がある離れの部屋かぁ。私も行きたいなぁ」
と、紗月が呟いた。
「紗月さんも一緒に行く?」
「いいの? 行こうかな?」
「えっ⁉ 何言ってんの?」
私は、行くとは言っていない。二人でプランを勝手に立てて、何ならふたりで行ってくれても構わない。
「夏希ちゃん、楽しそうだし行こうよ」
「そうそう、みんなでワイワイ楽しもうよ。なっ! 夏希!」
「待って、待って、私、行くなんて言っていないよ」
なんでか、みんなで一緒にプランが推し進められていく。
ああああああああ!(心の叫び)