名無しのヒーロー ~シングルマザーは先生に溺愛されました~
「美優ちゃんには、ミルクのキャベツとジャガイモのパスタだよ」

 なんと、離乳食まで用意してくれるとは
 神か?
 尊すぎる……。

 乳幼児がいると食事もままならない。ベビーチェアがあれば、ソコに子供座らせどうにか食事も出来るが、家庭用のダイニングテーブルとチェアでは抱えて食べさせるしか無い。
 美優を抱えテーブルに付くと朝倉先生が手を差し伸べる。
「美優ちゃん預かるから食事どうぞ」

「とんでもない、翔也さんこそ先に召し上がって下さい」
 食事まで作ってもらって、先に食べるなんて事出来ない!
 
「じゃあ、食べたら交代だよ」
朝倉先生は少し困った顔をして、食事を始めてくれた。ホッとして美優に離乳食を食べさせ始める。
 野菜もホロリと崩れる柔らかさ、パスタも短く軽く潰されて食べやすくなっていた。

 その朝倉先生の手作りのパスタがよほど美味しいのか、美優はペロリと食べて満足したのかウトウトと船を漕ぎ始めた。

 
「眠ちゃったね」
 美優のかわいい寝顔に朝倉先生と顔をほころばせた。
 そっと抱き上げてベビーベッドに下ろし暫くスヤスヤと気持ち良さそうに眠る姿をふたりで眺める。
 夜泣きの時期も終わり、最近は、夜眠ると朝までグッスリと眠ってくれて、すごく助かっている。

 美優の様子に安心して食事に戻る。
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