名無しのヒーロー ~シングルマザーは先生に溺愛されました~

 食事を終えて残りのワインを飲み干すと落ち着かない気持ちなり、それを誤魔化すように片付けを始める。
 
 食べ終わった食器をキッチンに運び、洗い物を始める。
朝倉先生もキッチンにやってきた。

「食洗器の使い方わかる?」

「この機種は初めてなので教えてください」

「ココを引き出すと洗剤が入れられるから、後は、並べてスイッチを……」
と肩が触れた。
 ドキンと心臓が跳ねる。
 朝倉先生のオーデトワレのラストノートの香りに包まれた。

「翔也さん……」

 そう呟くと体の芯に火が灯る。
 お互いの視線が絡み朝倉先生のいつも優しい瞳が、今は男の艶を含み私を捉える。
 手を掴まれて、その手を朝倉先生の胸の上に誘導された。その心臓がドキドキと跳ねているのがわかった。
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