名無しのヒーロー ~シングルマザーは先生に溺愛されました~
取り敢えず、慰めの言葉を掛ける事にした。

「人生色々あるけど、頑張る前に諦めて楽をしたら手に入る物も手にはいらなくなるんだよ。諦めないで頑張ってみれば?」

 将嗣は、一縷の望みを見つけたかのように私を見つめる。
「手遅れだとしても?」

「諦めたらそこで終わりだけど、諦め無かったら終わりじゃないんだと思う」

 と、言ったところで大人の話に水を差すように美優がぐずり出した。

「ごめんね。ちょっと待って」

 そろそろオムツも替えないといけないタイミングだったので、ソファーの上にバスタオルを敷いてオムツを変えた。

 それでもご機嫌が悪い、眠くなってきた様子でしきりに小さな手を口の周りに持って行きフニャフニャ言っている。

 こ、これは……。
 朝倉先生の前で授乳をした事が、デジャブのようによみがえる。
 元カレだからと言って一年半前に別れた人の前でおっぱいあげるって、どうなの?
 美優は、すでに限界を迎え私の胸に向かって顔を摺り寄せ、フギャフギャ言い始めた。

 ぐっ! さあ、覚悟を決めろ。

「ごめん、美優におっぱいあげていいかな?」

 あああぁあああー!(心の叫び)
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