すてられた想い人をなぐさめたら、逆に私がひろわれました!?
「あんがとな」

 不意にシャワーの水音が止んで、ヒロが私の呼びかけに答える声が返ってきた。
 それと同時、扉越しの彼の気配が濃くなった気がして心臓がトクン!と音を立てて跳ねた。

 このままここにいたらダメだと思って、洗濯機に洗剤などをセットするのは後にしようって思う。

 ――自分がシャワーを浴びるときにしたらいいよね。

 馬鹿みたいに踊り騒ぐ心臓に言い聞かせるようにそんなことを思いながら、脱衣かごのそばに真新しいバスタオルを出して、逃げるように脱衣所を後にした。


 ヒロがお風呂から出てきたとき、私、ちゃんと彼と向き合えるかな。

 ヒロのことを考えただけで、何とも言えない照れ臭さに包まれる自分に一抹の不安を覚えつつ、ふんわりとした幸せな気持ちとともにそんなことを思った。
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