すてられた想い人をなぐさめたら、逆に私がひろわれました!?
「でもっ、究(きわむ)がいないと私、夜遅くにひとりで帰んなきゃいけないんだもん……。私がバイト入ってる日はお店、飲みに来てよ」

 言って唇を尖らせる梨香子さんに、

「お前、俺を破産させるつもりか」

 そのさんがすぐさまそう反論して。

 それから困ったように溜め息を落とすと、声のトーンを低めて続けるの。

「じゃけぇさ、俺、彼女ができたって話した時、もう梨香子の送り迎えは出来んって話したじゃん? どうでもいけんにゃ、お前もバイト辞めてしまえとも言ったよな? それに――」

 そこで一旦視線を彷徨(さまよ)わせると、そのさんがもう一度吐息を落として続けた。

「お前もいつまでも俺とそういうのしよったら、周りから変な誤解されるぞ?て言ったのも覚えちょるじゃろ? ――梨香子、お前さ、好きなやつおるって前に田中に話しよったの俺、たまたま聞いてしもぉーたんよ。……それで俺、あー、このままじゃいけんなって思ったんじゃって」

 そのさんがそう続けたら、梨香子さんがキュッと唇を噛んだのが見えて。
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