すてられた想い人をなぐさめたら、逆に私がひろわれました!?
 あれこれ考えてソワソワする私を見て、楓(かえで)がほんの少し声のトーンを落として、「もしかして柳川(アイツ)のこと、まだ吹っ切れてないの?」と聞いてくる。


「あ、うん、もちろん。――え!? あ、違っ、そ、そんなことな、……」


 ――吹っ切れないどころか、今でも絶賛片想い中です!

 そんなことを思っていたせいか、思わず無意識に肯定しかけて、慌てて否定したけれど……どこか歯切れの悪い返事になった。


 そんな私の様子を見た楓が、「ははぁーん」とつぶやいてニヤリとするの。

 ――ん? 楓?

 楓の笑顔に不穏(ふおん)なものを感じた私だったけれど、一歩遅かった。


「ねぇ、柳川(やながわ)ぁー! アンタ最近時々車に乗って来てるわよね?」

 言うが早いか、楓がツカツカと柳川の方へ行ってしまって。

 ――や、ちょっ、楓っ、なにを!?

 私はひとり取り残された形で、楓の方へ手を伸ばしたまま中途半端に腰を浮かせて、絶賛口をパクパクさせながらフリーズ中です。
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